鶴見工業会AIセミナー(第1回「AIを起点にしたDX」)の講師を務めました

8月3日、鶴見区工業会の会員企業の皆さまを対象に、AI活用セミナー(全3回シリーズ)の第1回「AIを起点にしたDX」の講師を務めました。120分の構成で、中小製造業の経営者・経営幹部・実務リーダーの方々にご参加いただきました。
セミナーでお伝えしたこと
今回のメッセージは1つだけです。「DX=大改革ではない。生成AIという“最も身近なとっかかり”から、小さく始めればいい」。
主な内容は以下のとおりです。
- なぜ今、中小製造業にAI/DXなのか——中小企業の生成AI導入率は8.4%(2024年)から14.9%(2025年)へと急上昇中。一方で「取り組んでいない」企業がなお半数超。導入できない最大の理由は技術ではなく「何から始めればいいか分からない」こと。だからこそ、今が出遅れないタイミングです
- 「AIを起点にしたDX」の考え方——紙のデータ化→業務を楽に→やり方そのものの変革、と3段階で整理。いきなりDXを目指さず、目の前の面倒な作業を1つ、AIで楽にするところから
- 等身大の事例——従業員数十名規模の金属加工業で、品質検査報告書の作成が2時間→20分になった例や、神奈川県内の同規模企業が見積業務を効率化した例など、「うちでもできそう」と思える事例を中心にご紹介
- スモールスタートの進め方——1部署・1業務に絞る→小さな成功体験→横展開、の王道ステップ。ミニワークでは「自社で一番面倒な繰り返し作業」を各自に書き出していただきました
- 生成AIのデモ——箇条書きメモから取引先向けメール文面、不具合メモから是正処置報告書の下書き、新人向け作業マニュアルの作成、そして海外の仕様書・規格の日本語訳+専門用語対訳表づくりまでを実演しました
参加者の皆さまからいただいた声
質疑応答やセミナー後の意見交換では、実務に踏み込んだご意見・ご質問を多くいただきました。特に印象に残ったものを3つご紹介します。
① 各AIシステムごとにどのような違いが出るのか?
ChatGPT、Claude、Geminiなど、生成AIにはそれぞれ得意分野や性格の違いがあります。同じお題でも回答のスタイルや精度は違いますし、料金体系や情報管理の考え方も異なります。どれを1つ選ぶかは「何の業務に使うか」次第ですので、用途ごとの使い分けも含めて整理してお伝えしたいテーマです。
② 販売管理のデータを有効活用できないか?
日々の受発注で蓄積されている販売管理データは、実は「宝の山」です。得意先ごとの傾向分析、季節変動の把握、見積精度の向上など、AIを組み合わせることで専門の分析人材がいなくても着手できる領域が広がっています。まずは「今あるデータで何が分かるか」の棚卸しから始めるのがおすすめです。
③ 発注などの自動化を目指したい
発注業務は「判断基準がある繰り返し作業」が多く、自動化と相性の良い領域です。いきなり完全自動化を目指すのではなく、発注候補の自動リストアップ→人の確認→発注、という「AI+人」の形から段階的に進めるのが現実的です。セミナーでも触れたとおり、ノーコードツールとAIの組み合わせで、これまでエンジニア不足で諶めていた“小さなシステム”を自社で作れる時代になってきています。
いずれのテーマも、会社ごとの業務の流れやデータの持ち方によって最適解が変わります。ぜひより詳しくお話を伺いながら、それぞれの会社に合った形でご支援できればと考えています。気になることがあれば、セミナーの場に限らずお気軽にご相談ください。
次回のご案内
第2回は「AI活用による業務改善」をテーマに、見積・文書作成・技能伝承・英文対応などの実演を中心に、情報管理のルールづくりも含めてお話しする予定です。第1回で「最初に試す1つ」を持ち帰っていただいた皆さまが、実際に手を動かしていただく回になります。第2回は同じ横浜中小企業診断士会の西さんが講師を務めて下さる予定ですが、私も参加する予定です!
ご参加いただいた皆さま、運営にご尽力いただいた鶴見区工業会の皆さま、ありがとうございました。

